10月20日(日)、大分県・オートポリスで行われたスーパーGT第7戦の決勝レース。
マシンのピットイン直前。
最大限のパフォーマンスを発揮するため集中力を高めるメカニックたち。
彼らもまた、「アスリート」として戦っていた。
そんなメカニックたちが組み上げた、GT-500クラスを走るNISMOのマシン。
カーナンバーは『23』。
そのカーナンバーに託された思いを中島健監督は語る。
「23号車、『ニッサン』ですよね。日産のエースカーだと思っています。そのエースナンバーに恥じないようにチャレンジし続け、いいレース結果を出していくというのが23号車、チームだと思っています」
2024シリーズのチャンピオン争いで8位(第6戦終了時点)と苦境に立たされている23号車は、覚悟を持ってここにやってきた。
そんな状況の中、マシンを任されたメカニックたちがピットワークの練習を行なっていた。NISMOのチーフメカニック・出口裕介は。
「ドライバーがコース上でコンマ1秒稼ぐのって本当に大変なことなので、ピットワーク中、少しでも速く送り出せるように、心もいい状態で臨めるように日々トレーニングしています」
ピットワークの中でも「花形」と呼ばれるのが、タイヤ交換。
23号車のタイヤ交換を担当するのは、清水勇斗(しみずゆうと・27)と高師康徳(たかしやすのり・29)の若手コンビ。
清水(右タイヤ交換担当):
昔からNISMOはピットワークが速いと言われていて、自分もそれを目指してこの会社に入ったので、その分プレッシャーを感じます。
高師(左タイヤ交換担当):
一番重要なことは、速さもそうですけど確実に失敗しないこと。例えば失敗すると8秒とかかかってしまうんですけど、速くやれば4秒。4秒のためにリスクを取りすぎるのはレースに影響するので、まずは確実に失敗しないこと。
その重圧に打ち勝つため、チームが10年以上前から取り入れているのがメンタルトレーニングだ。その意義を高師は。
「練習と同じような成果を出すには、過度な緊張もダメですし過度なリラックスもダメなので、メンタルトレーニングで自分の精神状態をちょうど良いところに持っていくというか」
迎えた20日(日)の決勝、3時間レース。
必ず結果を出す。背水の陣で臨むチームは予選2番手からスタート。
ピットではタイヤ交換担当の2人がウォームアップ。
メンタルを最高の状態に高めていく。この時、清水は何を思っているのか。
「一番自分が上手くいく成功したイメージや、こうしたいというイメージを頭の中に鮮明に浮かべて」
決勝レーススタートから約1時間後、23号車がピットへやってきた。彼らの出番だ。
(フロントタイヤの交換:4.13秒)
「リアタイヤが同時に終わった瞬間に、音が1個しか鳴らなくて、エアジャッキが降りた瞬間、そこはカッコいいなと自分でもやっていて思うので。音が1個しかしないので(作業が)シンクロしていると。あー2人ともやったなって」
(リアタイヤの交換:4.13秒)
完璧に近い作業、スピードでマシンをコースに送り出した。
23号車はその後もトップ争いを展開。
2回目のピットインもミスのない作業を見せたメカニックたち。
正念場のレースで2位。5月以来の表彰台。
ドライバーやメカニック、チーム全員の力で結果を出してみせた。
清水(右タイヤ交換担当):
(ピットワークは)今年一良かったんじゃないかと思います。
高師(左タイヤ交換担当):
自分も1回目のピットワークはキッチリ決められたので、これからも継続でいいタイムが出せるように頑張っていきたいと思います。
極限のプレッシャーの中で、正確に、速く。
メカニックたちの戦いは続く。
(映像提供:GTA)
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