【ホンダ WR-V 新型試乗】かけ蕎麦か素うどんか?「素」の基本性能は見事…中村孝仁 インドから輸入されるホンダ『WR-V』に試乗した。その第1印象は「かけ蕎麦?それとも素うどん?」というものだった。イタリアならさしずめ「スパゲッティ・アリオ・エ・オリオ」である。 しかし、かけ蕎麦にしても素うどんにしてもトッピングを載せて楽しむケースが多い。スパゲッティ・アリオ・エ・オリオに関して言えば、これが美味いお店は他の料理も美味しいとよく言われるものである。つまりベーシックとは基本。これが良いかどうかで評価が決まるというわけで、WR-Vに関して言えば、素の部分は見事にまとめていると言って良いと思う。 実は『ヴェゼル』に続いてこのクルマをお借りした。価格的に安い=車両が小さいと、古いヒエラルキーの概念でクルマを見ていたものだから、てっきりヴェゼルよりもコンパクトなモデルだと思い込んでいた(事前の勉強を全くしていない)。ところが全長4330×全幅1790×全高1590mm(e:HEV Z)というヴェゼルのサイズに対し、WR-Vは同4325×1790×1650mm。まあ、ほとんど同じなのだ。 クルマをお借りして乗り出した直後の印象としては、それまで乗っていたヴェゼルよりもうるさいかな?というもの。当たり前である。ヴェゼルはe:HEV Z。つまりエンジンが止まっている頻度の高い電気で走る時間の長いクルマである。一方のWR-Vの場合は1.5リットルエンジンをしっかり回して走るいわゆるICEだけで動くクルマ。振動や騒音がe:HEVより多くて当然だ。 個人的に今回評価する部分としては、ギアのセレクターがヴェゼルにしてもWR-VにしてもPからDまでを一直線上に配置していること。わけのわからない押しボタンのPやRが存在しないこと。まあ、古いと言えば確かに古いやり方だが、昔から慣れ親しんだ方法だから、間違えることがない。最新のクルマはそれが押しボタンだったり、前後に動かすスイッチ系の操作レバーだったりして、慣れるまでに時間がかかる。 先日も某英国製のモデルに乗ったが、シフトレバーの上にPの押しボタンがあって、パーキングはそれを押せばよいということは頭で解っていても、操作は結局シフトレバーは一番前側に移動させればそれでパーキングに入ると慣れがそうさせて、クルマが突然バックして冷や汗をかいた