【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁 改良されたマツダ『CX-60』にじっくり乗ることができた。今回は一番ベーシックな3.3リットルディーゼルを搭載したモデル。電動アシストの全くないICEだけのモデルである。今回は静岡往復を中心に、およそ500km走行した。 走りの面から話をすると、乗り心地に関しては十分に快適さを増しているから、及第点をつけることができる。細かい変更点などについては、すでに前回の試乗会レポートでも少しお伝えしているので控えるが、運動性能を重視するのがマツダ開発陣の最重要課題として挙げられているのか、どうしても高いフラット感のある乗り心地にはなっていないのだが、デビュー当初のリアからの突き上げ感に関しては、ほぼ消えたと言ってよい。2024年に登場した時はタイヤがトーヨー製「プロクセス スポーツ」だったが、改良型ではブリヂストンの「アレンザ」が採用されている。このタイヤ変更も乗り味に変化をもたらしているかもしれない 今回試乗した「XD SP」というグレードは、試乗会の時にも乗ったグレードで、スポーティーさをアピールするブラックアウトしたホイールや、同じくブラックアウトしたサイドミラーなどで外観を引き締め、一方で内装の素材にはあまり高級感を持たせない、ある意味簡素な仕上がりにとどめている。 まぁ、ある意味このCX-60のラインナップでは低位にランクされるモデルなのだが、それでも価格はオプションを含めた価格が433万4000円と、このサイズと性能を考えれば十分リーズナブルなのだろうと思える。オプションはセーフティー&シースルーパッケージと言うパッケージオプションで、価格は15万4000円。ブレーキサポートや360度ビューモニター、12.3インチのセンターディスプレイなど、外したくないアイテムがほとんどなので、このオプションはまあ致し方なしというところである。 簡素な内装という話をしたが、簡素と感じられる部分は、シフトレバー周りの素材が無塗装艶消しの黒いパネルであるところだけで、ダッシュボードの加飾やドアまわりの加飾などは、それなりに設えられているので、特段チープな印象を受けるものではない。 高速を使って長距離を走った時は、その良さを如何なく発揮する。まず、走りはどっしりと重厚感がある乗り味である。新東名でA