【マツダ CX-30 新型試乗】劇的に改善された乗り心地に「もう、ネガな要素はない」…中村孝仁 去る7月18日、マツダの『CX-30』が商品改良を受け、その試乗車が追加されたというアナウンスがマツダからあった。 デビューしたのは2019年のことだから、すでに5年の歳月が流れている。昔だったらとっくにフルチェンジである。しかし今はクルマのライフスパンが伸び、同時にユーザー側の買い替えスパンも伸びたので、5年経ってもちっとも陳腐化せず、クルマによってはまだまだ進化の過程にあるものが多い。 その最たるクルマが、マツダで言うならば『CX-5』である。現行モデルは2017年に投入され、昨年も商品改良が施された。しかも今もマツダ車中2番目に売れているクルマだそうであるから、まさにマツダをけん引しているのがこのクルマであることは一目瞭然。後発で、本来後継モデルと目されていた『CX-60』を、遥かに凌駕している。そして、このCX-5に次いで売れているのがCX-30なのだから、マツダとしても丁寧に育てる必要があるクルマということになる。 7月に改良された点は、機種体系の刷新、セットオプションの充実、コネクテッドサービスの提供機能拡充、室内安全装備の強化という4点で、(私が)期待していた改良は含まれていなかった。 私が何を期待していたかというと、これまでCX-30というクルマは、サイズ感的に日本の路上にとてもよくフィットし、取り回しが良く、室内のサイズもそこそこで、さらに価格的にもこなれていて、一番チョイスしやすいクルマであるはずなのに、その乗り心地の悪さで個人的にはチョイスの対象外となっていたもので、ここの改善を期待していたのである。 ただ、多くのメーカーがそうであるように、大きな変更をしない場合は敢えて変更したことを公表しない。例えばサスペンションのストローク量を変えたり、ブッシュ類の硬さを変えるといった、目に見えない変更点の場合は、商品改良と言っても文言にならずスルーすることが多いのである。 そして、試乗して感じたのはこのスルーの可能性が現実のものであったということである。つまり、乗り心地は劇的に改善されていて、完全に自分の購入チョイスの対象内に入ったクルマに仕上がっていた。 以前(と言っても3年前)ガソリンモデルとの乗り比べをしてみたのだが、ガソリン車の乗り心地が少なから