「グーEVテストドライブとは」
各社の注目EVモデルをテストドライブ。毎回、実際の使用状況を想定した同じコース「高速道路」「ワインディング(山道)」「一般道」を走り、電費や走行性能をチェックしていく。テストの監修・ドライバーは自動車ジャーナリストの石井昌道氏が担当。
・プロフィール
石井昌道(いしい まさみち)
自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。
00:14 グーEVテストドライブについて
00:19 日産 アリア B9 e-4ORCEのプロフィール
02:30 気になる電費は?
04:14 試乗後のレビュー
・レポート記事はこちら
【日産 アリア B9 e-4ORCE】電気自動車の実力を実車でテスト!
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EVテスト 再生リスト
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・【日産 アリア B9 e-4ORCE】電気自動車の実力を実車でテスト!
欧州や中国ではクルマを取り巻く環境や政策などが追い風となり、近年、EV(電気自動車)のセールスが急進。対する日本も、普及はまだまだこれからという状況ながら、補助金の充実や新しいEVの登場&上陸など、EV関連のニュースが次々とメディアをにぎわせている。そうした状況もあり、「そろそろかな」とEVが気になり始めている人も多いのでは?
とはいえエンジン車とは異なり、EVの所有はハードルが高いのも事実。航続距離や充電効率、使い勝手などは車種によって大きく異なるため、どんなモデルが自分にとってベターな選択なのか見分けるのが難しい。
本連載は、EVや自動運転車といったクルマの先進技術に造詣が深い自動車ジャーナリスト・石井昌道氏の監修・解説の下、各社の注目モデルを毎回、同様のルートでテスト。実際の使用状況を想定した走行パターンでチェックすることで各モデルの得手不得手を検証し、皆さんの“EV選びの悩み”を解決することを目的とする。
今回フォーカスするモデルは日産「アリア」の高性能仕様「アリアB9」。先進的なエクステリアをまとったこのモデルは、どんな実力を披露してくれるのであろうか?
・日産 アリア B9 e-4ORCEのプロフィール
日産自動車は、2010年に世界で初となる量産EV「リーフ」を世に送り出したメーカーだ。そんなパイオニアが本格的なEV時代の到来に合わせて市場投入したモデルが、クロスオーバーEVのアリアである。
日産の新しいEVであるアリアは、随所にチャレンジングなクルマづくりが散見される意欲作である。ゼロから開発されたEV専用プラットフォームには、リーフの開発で得た技術やノウハウ、そしてEVに対するユーザーニーズなどを反映。このプラットフォームを採用した電動車を、日産は将来的に年間100万台以上販売する計画を立てている。
新タイプとなるモーターをフロントに配したFWDと、前後アクスルにそれぞれレイアウトした4WDというふたつの駆動方式を設定。バッテリー容量91kWhの「B9」と、66kWhの「B6」という2モデルを設定する。
なかでも“e-4ORCE”と呼ばれる4WD仕様は、前後モーターと4輪のブレーキをそれぞれ制御することで意のままのコーナリングを実現。0-100km/h加速は最速5.1秒と、「フェアレディZ」に匹敵するタイムをたたき出す。ちなみに、1充電当たりの走行可能距離は、B9が最長640km、B6は最長470kmとなっている。
そんなアリアは、充実した先進運転支援システムを採用。高速道路などでのハンズオフドライブを可能とする“プロパイロット2.0”を設定するなど、日産の最新技術がふんだんに盛り込まれている。
そんなアリアのエクステリアは、なめらかな弧を描くルーフラインが特徴だ。建築物を思わせる美しさが感じられ、どの角度からでも強い存在感を感じさせる。対するインテリアは、フラットなフロアに起因する広々と開放的な空間が魅力的。物理スイッチの代わりにアイコン類がパネルに浮かび上がる操作系を配するなど、見るからに先進的なコックピットに仕上がっている。
なお世界情勢の影響により、現在発売中のアリアはB6のFWDのみとなっている。
■グレード構成&価格
・「B6」(539万円)
・「B9 e-4ORCEリミテッド(4WD)」(790万200円 ※参考価格)
■電費データ
<B9 e-4ORCEリミテッド(4WD)>
◎交流電力量消費率
・WLTCモード:187Wh/km
>>>市街地モード:183Wh/km
>>>郊外モード:185Wh/km
>>>高速道路モード:196Wh/km
◎一充電走行距離
・WLTCモード:560km
・【高速道路】WLTCモードに対する達成率は高く効率の良さをうかがわせる
約1年前にはアリアB6(FWD)をテストしており、今回のアリアB9(4WD)はそのときのデータと比べながら考察したい。気温はアリアB6のスタート時が19℃、もっとも暑い一般道走行時が26~27℃、アリアB9はスタート時20℃、一般道走行時31℃。高速道路走行時はほぼ同じ気温だ。今回の電費は制限速度100km/h区間のその1が5.1km/kWh、その4が5.1km/kWh、制限速度70km/h区間のその2が6.8km/kWh、その3が5.9km/kWhだった。
アリアB6(FWD)はその1が6.6km/kWh、その4が6km/kWh。その2が8.2km/kWh、その3が6.5km/kWh。
車両重量が重く、パワフルなアリアB9(4WD)は全体的にアリアB6(FWD)に差をつけられているが、1年前のテストのときは交通量が多くて速度が下がり気味(=電費に有利)だったので、納得いくデータではある。
ちなみにWLTCモード電費は制限速度100km/h区間に近い高速モードはアリアB6(FWD)が5.6km/kWh、アリアB9(4WD)が5.1km/kWh、制限速度70km/h区間に近い郊外モードはアリアB6(FWD) が5.9km/kWh、アリアB9(4WD)が5.4km/kWh。WLTCモード電費に対する達成率はかなり高いほうだ。
・【ワインディング】2WD車と比べても妥当な電費データを記録
約13kmの距離でスタート地点とゴール地点の高低差が950m以上もある箱根ターンパイクでは、制限速度50km/h前後をなるべくキープしながら、往路は極端な登り区間での電費の悪さ、復路は逆に下り続けると回生ブレーキでどれぐらい電力を取り戻せるのかを見ている。アリアB9(4WD)の登り電費は1.6km/kWh。車両重量1960kgのアリアB6(FWD)が1.8km/kWhだったことを考えれば、2230kgのアリアB9(4WD)の電費は妥当なところ。車両重量が近い他のEVと比べても同等レベルだ。
下りでは電費計からの推測で、約3.6kWhの電力を回生で取り戻した計算になる。アリアB6(FWD)は3.89kWhだったので回生量は大差ないということになる。FWDよりも4WDのほうが回生では有利なのかと思いきやそうでもないのだが、なるべく一定速をキープしながらユルユルと下ってくるEVテストの走り方では差が出にくいのかもしれない。
・【一般道】高速性能と比べ若干もの足りないが、交通状況の影響もありそう
一般道での電費は3.8km/kWhで、アリアB6(FWD)の4.7km/kWhに比べるとやや物足りない数値だった。しかし、今回は5月にしては陽射しがきつく気温が31℃まであがり、エアコンの負荷がかなり高かったことは考慮しなければならないだろう。EVは冬のヒーターの電力消費が多くて電費が下がり幅が大きく、それに対して夏のエアコンはそれほどでもないと言われるが、それは相対的な話でエアコンもそれなりに電力を消費するのだ。
それにしても3.8km/kWhはあまりいい数値と言えないのだが、同日テストのフィアット500eも一般道での電費があまり良くなかったので、交通状況も不利だったものと思われる。
一般道は信号のタイミングや周囲の交通の流れによる影響が大きく、電費は変動しがちなので致し方ないところだろう。ちなみにアリアは、一般的な永久磁石の同期モーターではなく……
詳しくは[レポート記事]をチェック!
https://www.goo-net.com/magazine/newmodel/testdrive/194883/?utm_source=youtube.com&utm_medium=referral&utm_campaign=EV_TEST&utm_content=ZWXio18u1cE
日産 アリアのカタログ情報はこちら
https://www.goo-net.com/newcar/NISSAN__ARIYA/?utm_source=youtube.com&utm_medium=referral&utm_campaign=EV_TEST&utm_content=ZWXio18u1cE